1928年(昭和3年)以後の国有鉄道貨車記号  

昭和3年車両称号規定全面改正、昭和28年および昭和40年小改正 : 類別は昭和40年改正後のもの


本規定による貨車の称号は 「構造または用途を表す記号」+「標記荷重記号」(+「緩急車記号」)+番号 という構成になっている。貨車運用上の必要のため記号の前または後に符号が付けられる場合もある。
(例) コタキ91927

1.構造または用途を表す記号・・・例では「タ」=タンク車

(1)有蓋貨車
(名称) (記号) (記号の由来) (改廃) (備考)
有蓋車
ワ
ワゴン(Wagon)のワ
   
鉄側有蓋車
ス
スチール(Steel)のス
昭和46年度車種消滅
 
鉄製有蓋車
テ
鉄のテ
国鉄民営化時に車種消滅
 
車運車(旧)
ク
クルマのク
昭和40年改正で消滅
無蓋貨車の車運車は別物
冷蔵車
レ
冷蔵のレ
国鉄民営化時に車種消滅
 
通風車
ツ
通風のツ
昭和60年度車種消滅
 
家畜車
カ
家畜のカ
昭和52年度車種消滅
 
豚積車
ウ
豚の鳴き声(ウー?)のウ
昭和49年度車種消滅
 
家禽車
パ
Poultry(家禽)のパ
昭和34年度車種消滅
 
活魚車
ナ
ナマザカナのナ
昭和43年度車種消滅
 
陶器車
ポ
Porcelain(陶磁器)のポ
国鉄民営化時に車種消滅
 

(2)タンク貨車
(名称) (記号) (記号の由来) (改廃) (備考) 
タンク車
タ
タンクのタ
   
水運車
ミ
水のミ
国鉄民営化時に車種消滅
 

(3)無蓋貨車
(名称) (記号) (記号の由来) (改廃) (備考)
無蓋車
ト
Truck(英:無蓋貨車)のト
   
土運車
リ
砂利のリ
昭和60年車種消滅
 
長物車
チ
Timber(材木)のチ
 
旧規定の材木車
 コンテナ車
コ
 コンテナのコ
昭和40年に長物車から分離 
 
大物車
シ
重量品のシ
 
旧規定の重量品運搬車
車運車
ク
クルマのク
昭和40年に大物車から分離
 

(4)ホッパ貨車(昭和28年改正で新設された類別)
(名称)
(記号)
(記号の由来)
(改廃)
(備考)
ホッパ車
ホ
ホッパのホ
昭和28年タンク車から分離
 
石炭車
セ
石炭のセ
   

(5)事業用貨車(昭和28年までは準貨車と称していた)
(名称)
(記号)
(記号の由来)
(改廃)
(備考)
車掌車
ヨ
車掌(シャシヨウ)のヨ
   
雪かき車
キ
ユキのキ
民営化後(平成5年度)に車種消滅
 
検重車
ケ
検重のケ
 
昭和40年までは記号コ
操重車
ソ
操重のソ
 
 
控車
ヒ
控えのヒ
 
 
歯車車
ピ
Pinionのピ
昭和5年消滅 
 
試験車・職用車
ヤ
役所のヤ?
昭和28年新設(客車から編入)
 
救援車
エ
キュウエンのエ
昭和28年新設(客車から編入)
昭和40年に消滅 
 
工作車
サ
コウサクのサ
昭和28年新設(客車から編入)
昭和40年に消滅
 


2.標記荷重を表す記号
・・・例では「キ」

(標記荷重) (記号)
13t以下
なし
14t〜16t
ム
17t〜19t
ラ
20t〜24t
サ
25t以上
キ


3.緩急車記号・・・例にはありません

事業用貨車以外の貨車で車掌室を有し、手ブレーキおよび車掌弁を設備しているものを緩急車といい、記号「フ」を付ける。
(例: 5t積有蓋緩急車=ワフ、 15t積石炭緩急車=セムフ)


4.番号・・・例では「91927」

6桁以内の数字で表す。
貨車の形式称号は、その形式で最初に製造されたものの番号と一致する。例に挙げたコタキ91927の形式はタキ1900。


5.符号・・・例では「コ」 

符号とは、貨車運用上の必要のため記号の前または後に小さく標記される補助記号である。

(符号) (対象車種) (標記例)
ア タンク体がアルミニウム製のタンク車 ア「タム」
オ 自重が軽いため2t増積みできるワム
(標記トン数が17t及び15tと併記してある)
=ワム1900、2000、50000
*昭和40年代まで?
オ「ワム」
オ 標記荷重36tのトキ オ「トキ」
オ 最大長さ16mをこえるタンク車 オ「タサ」
オ 最大長さ12mをこえるホッパ車 オ「ホキ」
キ 「急行」の標記をした2軸有がい車
*昭和43年まで?
キ「ワム」
コ 石炭15t分の容積で荷重17tのトラ
(標記トン数が17t及び15tと併記してある)
コ「トラ」
コ 最大長さ12m以下のタサ、タキ コ「タキ」
ス 石炭15t分の容積で荷重18tのトラ
(標記トン数が18t及び15tと併記してある)
ス「トラ」
テ 天井に氷タンクのある冷蔵車 「レ」テ
ナ 氷タンクのない冷蔵車 「レ」ナ
ハ 延長換算両数1.2のワム ハ「ワム」
ロ 最高速度が65km/h以下の貨車
*昭和43年から
ロ「セラ」
ワ シートをかけて有蓋車代用にできる無蓋車
*昭和40年代まで?
ワ「トラ」
ワ 有蓋車兼用の通風車及び家畜車 「ツ」ワ


(出典)
・小坂『客貨車工学(上)』:(社)日本機械学会,1948.
・『全盛期の国鉄貨車1,2』:レイルロード,1998.
・日本国有鉄道「貨物輸送基準規定」,昭和40年6月営達第19号.
・貨車技術発達史編纂委員会『日本の貨車・技術発達史』:(社)日本鉄道車輌工業会,2009.
 
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